トップダウンの組織化が、トップに対する不満を感じさせていること
よく日本のトップが構成員から不信感を表現されてしまうのは、1 つにはトップダウンの組織化がその原因であると考える。
つまり次の 5 つのプロセスがあるのではないかと思う
- 1 組織に指示層と被指示層ができる
- 2 被指示層は余裕があるうちは喜んでするが、過剰の仕事をこなしているうちに疲労を感じるようになる。また、もともと本来の自由意志による選択がなされないためにその疲労が増大される
- 3 徐々に 2 の過程が進行するうちに、被指示層のうちに、「自分にはそのレベルはできない」という A 群と「彼らは自分たちを利用している」という B 群の パーソナリティが発生する
- 4 A 群は、自分を責めるという傾向をもち、うつ化する
- 5 B 群は、指示層に不信を持ち、積極的な場合はグループを構成し不満分子となる B-1 群を構成する
あるいは消極的な抵抗として、組織から出ていく B-2 群の人たちを構成するようになる
組織について行けない人が「わるいひと」になってしまう事例が散見される
近すぎる距離が人間の不完全性を際立たせ、悪く見せてしまう
結論として、次の 5 つの施策が必要であろう。
1 組織体を構成していく上で、必要な管理を最小限にとどめること
2 必要な分野以外は、指示層と被指示層を構成させないこと
3 各組織員が、ものごとを自分で選択させる権利を与える。人は、自分で考え、行い、決定するときには疲労を感じない
4 疲労を感じる状況での近すぎる人間関係は、組織に対するリスク要因を含んでいる。そうした状況にならないようにする
4-1 適正な距離を保つこと: これは組織の文化により差異がある
4-2 疲労を感じる要素の除去: 長い時間、体力、リソースを要するトップダウンのイベントは組織しない
ただし、各構成員からボトムアップかつ自発的に出てきたものを除く。
この場合は、提案者を極力サポートするようにすると、よい組織が構成されると思われる
5 ネガティブな表現に対して、抑圧しない
なぜそう思うのかを表現させ、エネルギーの発散を図る。質のよいコミュニケーションにより、エネルギー対象の方向性の修正を、その表現者自らができるようにする。